2010年12月04日

映画「キャタピラー」by若松孝二

自主上映会で映画を見てきた

正直「感想文」は昔から苦手
分からん所で聞きたい所があればコメント欄に質問よろしく



映画『キャタピラー』 → 公式HP



観おわった後
胸の中に何とも表現しにくい重い感情が

冒頭 衝撃的なシーンから始まるこの映画

「お国のため」が口ぐせのように繰り返されたであろう
そんな時代

平成に生きる私達から見たら
それは到底尋常な事態ではない

バンザイで見送られ戦場へ赴く男達
夫・黒川久蔵(大西信満(しま))を見送った妻・シゲ子(寺島しのぶ)も同様

「お国のために」戦い四肢を失い戻ってきた久蔵
戻ってきた夫を見た時のシゲ子
あふれだす強い感情
とてもその場にいられない

ゆがんだ時代が彼を『軍神』と崇(あが)める

しかし

『軍神』の妻として夫の世話に明け暮れるシゲ子
この時 彼女にとっての夫は既に
「食べる・寝る・求めるだけの生き物」
でしかなかったのではないだろうか

そこに垣間見えたのは最早愛情ではないと思う
しかし私にはその感情が何なのか表現し切れない

一方

四肢は奪われ 顔の一部が焼けただれ
耳は聞こえず 会話が出来ない(声は出る)
そんな久蔵には
自分の事が大きく載った大帝国新聞の記事
天皇から与えられた勲章
この時代 どこの家にもあったのだろう 天皇・皇后の写真
これだけが支えだったのかもしれない

そんな夫婦が少しずつ
久蔵は戦争時代に自分がした事のフラッシュバックに
シゲ子は欲求の塊になってしまった夫への対応に
更なるゆがんだ言動に傾いてしまう
そんな様子をじっくり見せてくれる

そして・・・それぞれの終戦を映し出し映画は終わる

何とも重苦しい
でも そんなゆがんだ時代を生み出してしまったのは
間違いなく過去の日本人だ

個人的には久蔵の戦争時代に自分がした事を
もう少し多く映像にして欲しかったと思う
フラッシュバックする程なのかこれは?と少し思ったので

しかしこの映画
クランクインからたった12日しか撮影期間が無かったらしい
・・・たった12日でここまで作るのは素晴らしい

よく見る戦争映画とは違う
これは「戦争の映画」だ
久蔵とシゲ子 それぞれの「戦争の映画」だ



出来れば機会をとらえて 映画館で見て欲しい

不景気に歯止めがかからず 犯罪が増えたとも言われる現在
年齢・経歴をほぼ問わず 仕事が無い人がますます増えている
戦争したら様々な職種の求人が出るのではないかと言った知人も

しかし

それでも「戦争」をしてはならない
「バンザイ」を大切な人との悲しい別れに使ってはいけない

久蔵のような シゲ子のような
そんな人間を 二度と出してはならない

大人として今を生きる私達が
次の世代に残せる物が『平和』であるよう心から祈りたい
posted by ハッピー at 17:44| Comment(8) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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